大塚理事長が語る、星の杜へかける期待と想い。
北関東唯一のカトリックミッションスクールとして70年の伝統、文化と歴史をもつ学校法人宇都宮海星学園の理事長に昨年4月、就任しました。
就任にあたり、起業家でもあり、経営者でもあり、教育者でもある私は、これまでの学校の在り方や教育を徹底的に見直しました。そして、この1年間で、さまざまな改 革を実行しました。ハード面で言えば、エントランスのリニューアルに始まり、ピロティ・トイレ・ 門のリニューアル・教室の絨毯化・ラウンジの設置など、校舎全体のリノベーションを行い、最後にアートの展示等々。生徒の皆さんが過ごしやすい環境を創ることと同時に、学校は感性を磨く場でもあるとの考えからアートを飾りました。校内至る所に現代アートが飾られた学校は全国初でしょう。
校内の取組み一つひとつに私たちの思い・願いがあります。ソフト面で言えば、多くの知見があるディレクターの先生方や教職員と共に「21世紀型教育」とも言われる新しい教育に変えてきました。それはなぜか・・・・。
現代は急激に変化している時代だからです。
例えばVUCA (Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)、取り巻く社会環境の複雑性が増し、次々と想定外の出来事が起こり、将来予測が困難と言われる時代となっています。そのような時代の中で、皆さんに何が必要か、何を学ぶべきか、何を育てるべきかを考え、私たちは21世紀型教育と言われる教育を推進しています。
長きにわたり“海星ブランド”として広く認知されてきたミッションスクールの精神「真理と愛に生きる」、当校の品格や礼節、そして何より創始者のシスターの方々の想いは、当然ながら「星の杜中学校・高等学校」にも引き継がれます。
同時に、新しい学校づくりに必要とされる、現代に合った学校運営、教育改革も行います。
守るべきことと新たに変えるべきことを見極め、SHINKA (進化、深化)していきます。
新しい海星、星の杜中学校・高等学校に大いに期待してください。夢を見てください。一緒に新しい学校、新しい未来を創っていきましょう!!
私は理事長として、教員一人ひとりの意識改革を含め、将来を見据えた“21 世紀型の中高一貫教育”を実践し、皆さん方が将来、自分の足で立ち、自分の力で、自分の人生を切り拓くスキルや情熱を磨いていきたいと考えます。就任時に私がこの学校の未来を考えた際、頭に浮かんだ言葉があります。それが「School Of the student By the student For the student (生徒の、生徒による、生徒のための学校)」です。この言葉は、アメリカ合衆国16代目大統領エイブラハム・リンカーンのゲティスバーグ演説での言葉「Government Of the people By the people For the people (人民の、 人民による、人民のための政治)」を変えたもの。一言でいえば、 生徒が主役の学校を創っていきます。そのため、生徒の皆さんには、「自分たちの行きたい学校は、自分たちで創りあげる」という気概を持って入学してきてほしいと考えます。
生徒を縛る窮屈なルールはもういらない
私が学生だった頃は、学校や先生に管理されて理不尽な思いをしてきた時代、いわゆる管理教育全盛の時代でもありました。 髪型ひとつにしても、校則に反するものは許さない。今でも日本の学校はその管理の呪縛から抜け出せていません。諸外国の学校はもっと自由です。私はよく「自立」という言葉をアルファベットで「JIRITSU」と表記します。「JIRITSU」には、自らの力で立つ(自立) と、自分を律する (自律) と2つの意味を持ちますが、学校が生徒をルールで縛ってしまうと自ら考え判断することはできるわけがありません。他律ではなく自律している人を育てたいと考えています。「JIRITSU」した生徒を育てるには、転ばぬ先の杖のような計らいは無用です。本当に生徒を信頼しているのであれば、もう窮屈なルールはなくてもいいのではないでしょうか。
生徒一人ひとりの夢を叶える学校づくりを生徒たちと共に歩み、創りあげる。
私は、生徒一人ひとりが自分自身の夢を描き、 夢を叶えられる学校にしていきたいと考えています。そのために私は“生徒の声”を学校づくりに活かします。この学校の主役は生徒たち。私たちは、生徒たちが輝けるステージを用意する裏方の存在です。輝きある学校生活を送り、輝きある学校を一緒に創っていきましょう。 理事長として私は、全身全霊をこの学校に捧げます。
私の信条「The way is open where there is a will !! (意志あるところに道は拓ける)」を改めて、私の胸に刻み、生徒の皆さんの夢を叶えるために歩み続けて参ります。
ぜひ、この星の杜中学校高等学校の門をくぐってみてください。
輝ける未来がみえることでしょう。
石塚校長からのご挨拶
自身のあり方を考え、自立する生徒たち
「宇都宮海星女子学院」から「星の杜中学校・高等学校」へ生まれ変わり、新たな一歩を踏み出したばかりの当校ですが、以前に増して、よりいきいきと、活気に満ちた生徒の姿が見られるようになったと思います。校則や定期試験のない当校は、全てにおいて、自分の判断に委ねられます。それゆえ、そこには責任が伴うということを生徒たちがそれぞれに自覚し、自分の律し方を身につけようとしているようです。自分の行動が家族や友達、教員たちも関わることを、よく理解しているからでしょう。学校や社会の中でどのような人にも敬意をもっていたわることは、カトリックの教えにおいて大前提です。ルールという縛りを外すことで、不安がなかったわけではありません。しかし、生徒たちの自主性の高さと、何かを自分のものにしようという表情に心配は無用だったと省みます。「星の杜中学校・高等学校」としてスタートし、まだ間もない時期ですが、自由と責任を考えながら、トライ&エラーを繰り返しています。その中で、自己を律し、協働しながら、さまざまな夢に向かってチャレンジしていく生徒たちの眼差しに、これまでにない“頼もしさ”を感じています。
人として、お互いに成長していく
関係を明るく、活力のある生徒たちは、すでに目指すべき未来の目標をもっています。「個別最適化」という言葉通り、生徒一人ひとりの思いを汲み取り、その目標を達成するための個人に寄り添った進路支援、そして生活面での伴走をすることは、学校の大きな役目です。「自分の夢を叶えるための学問とは、教育とは何か」を考えたときに、偏差値だけで通用する時代ではありません。私たち教員側は、偏差値という、数字を“あて”にするのではなく、生徒にとって本当に必要なものを公開し、生徒たちに、知識や技術をもった人との出会いの場を設け、学校では伝えられない世界を伝えることも大切にしています。そして可能な限り多くの経験の機会を与え、生徒たちが何をどう感じるか、どんな大人になりたいかをしっかりとイメージさせて、かけがえのない“自分”という存在を見出してほしいと願っています。限られた学校生活のなかで私たちは、生徒たちと共にそんな時間と環境を共有し、人としてお互いに成長していける関係を築き上げたいと考えています。
可能性を信じ、人や社会に立ち向かえる大人に
「星の杜中学校・高等学校」は、生徒一人ひとりの未来を創る学校を目指しています。たった数年の学校生活は、人生の通過点でしかありません。英単語を覚えたり、模試のための準備をしたり、与えられたこと、それだけで終わらないでほしいのです。学校を離れ、社会に出れば、自分が最前線で協働する場面が必ず訪れるでしょう。そのときこそ、星の杜のグラデュエーションポリシーとして身につけた力を遺憾なく発揮できる大人であってほしいのです。新たな価値を創造し、社会に貢献するチェンジメーカー”として、生徒一人ひとりの可能性を信じ、確実に育てる場でありたいと思っています。